10年くらい前にたまたま見た、見知らぬ方のプレゼン。

みなさまには絶対こんな風には話して欲しくないので、反面教師として記します。

 

◆会場が冷えたプレゼン

そこは巨大な会場で、中央の円形ステージと客席の間に、幅広い通路がありました。

通路にスポットライトが当たると、ひとりの男性が歩いて登場。挨拶もなく、歩きながらプレゼンが始まりました。

ステージに上がるのかと思って見ていたのですが、円形の通路をぐるぐる歩き続けます。

そして何も持たない両手が、ふわふわ、ずっと動いています。

(何してるんだろう?)

あちこちで顔を見合わせる観客。会場の空気はすう〜っと冷えて行きました。

 

◆自分のために話すことの無益

歩きながら話すのはスティーブ・ジョブズの真似でしょう。

話の内容が全て頭に入っているのもご立派です。

だが、何のためのプレゼンか?よくわかりません。

 

不思議なプレゼンターから受け取れたことは、

「私は話すのがうまいのです。こうして何も見ずに、堂々と歩きながら話せます」

 

1000人近いビジネスマンが昼間こうして集まってきているのです。

来てよかった、いい話を聞いた、何らかのベネフィットをもたらすのが当然のこと。なのにふわふわぐるぐるだけで、肝心の話が耳に入ってこない。

 

◆何のためのプレゼンなのか

上手く話すことをゴールにすると、こういうことになりかねません。

本当に伝わる力を持っているなら「伝わる技」すら感じさせず、ひたすら聞き手の心に響く話になるでしょう。

たどたどしくても必死で話をするほうが、まだ共感できます。

日々お客様が喜ぶかどうかに命がけで仕事をしている経営者やビジネスマンには、上っ面の話す上手さなど通用しません。

 

これはこれまでに観た中で最も突出した不思議な本番でしたが、一番不思議だったことは、新規顧客創造の場でなぜこれを許したのか。

主催企業(超大手)に対するイメージが変わってしまいました。

 

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