こんにちは、森裕喜子です。
今回は英語のプレゼンがテーマ。
英語でスピーチすることに躊躇されている方や
英語を使う機会がない方にも
お役立ていただける情報を含めています。
ぜひ最後までお読みくださいませ。
英語で話す。気になることは?
英語でスピーチやプレゼンテーション
となると、日本語のときとは別の点が
気になるものです。
例えば、
・英語の原稿を”読んでいるだけ”になってしまわないか?
・言葉の壁によって、話し手である社長の思いや人柄、魅力が伝わりづらいのではないか?
原稿はネイティブチェック済み。
準備万端なようでも、
何か?心に気になるような・・・
ですが、そのまま
本番の日を迎えがちです。
「きちんと原稿を読む」への囚われ
グローバルな舞台で英語で話すとなると、
「ネイティブのような綺麗な発音で、
読み間違え無く、話さなければ」のように、
正確に話すことに意識が集中します。
ですが、このような意識は
英語だからそうなってしまう、とは言えません
日本語で行う場合も、
「きちんと、淀みなく話せるか」を
重視してしまう方は、かなり多いです。
しかし、ここで少し視点を変えて
みたいのです。本当に目指したいゴールは
「スラスラと正確に話すこと」
そのものなのでしょうか。
そして、その「正確さ」には
聞き手の心を揺り動かすほどの力は
あるのか?
原稿内容通りに話すことは大切でも、
「正確さ」「流暢さ」を追い求めてしまうと
本来のゴール、何のために話すのか、
が失われてしまいます。
「きちんと原稿を読む」が引き起こすジレンマ
さらに原稿通りに
正確に伝えようとすることは、
本来のご自身を「あるべき姿」という枠の中に
閉じ込めることになりかねません。
そして「正しく読む」に意識が向き続けると
聞き手が期待し、話し手ご自身も望む
「自分の言葉で話す」という理想の状態から、
少しずつ距離が生まれてしまうかも
しれません。
そもそもスピーチやプレゼンテーションは、
聞き手を目の前に行われるライブです。
「文字を見せて届ける場」ではなく、
「声で言葉を届ける場」です。
そして、声で届けた言葉は、
聞き手自身の言葉として
受け取ってもらえるようにする。
これぞ「伝わる話」です。
英語も日本語も「伝わる言葉」原理は同じ
声で言葉を届けるために
必要なこと。
その原理は実にシンプルです。
はっきりとした「音の輪郭」を届けること。
話す際の言語が英語でも日本語でも
まったく同じです。
よって、日本語でも英語でも、
文字を正確に読む、流暢に話す、
を目指すのではなく、
「言葉の輪郭をはっきりさせて話す」ことを
実行されることにより、
言葉は聞き手の耳に届き、心に響きます。

英語プレゼンのトレーニング実例
以前、某企業さまの
英語プレゼンテーションを
トレーニングさせていただきました。
日本人の社長さまが
グローバルのトップリーダーとして、
世界の各リージョンの経営層に向け、
英語でメッセージを発せられる
重要イベントでした。
そのイベント中、
社長は何度も登壇される場面がおありで、
内容も多岐に渡りました。
ビジネスの状況とレビュー、
未来、そして、
世界を1つにする強いメッセージ。
社長さまの想いを届け、
組織全体が1つになって未来へ向かうために、
言葉の微調整や伝え方を整理して
戦略的にサポートしました。
短期集中型のトレーニングでしたが、
着実に伝わる形になっていきました。
言葉に”力”を宿すもの
先ほど、正確に内容を話すだけでは
伝わらない、と書きましたが
そのことを少し詳しく記します。
どれほど素晴らしい内容の原稿でも、
スピーチやプレゼンにおいては
その言葉を運ぶ「音」が弱ければ、
話し手の思いは聞き手に届きません。
サッカーのシュートに例えてみましょう。
ゴールへ向かてボールを蹴るとき、
大切なのは「単にボールを蹴る」
ではありませんよね。
どのタイミングで、
どんな力をボールに乗せ、
どんな軌道で送り出し、
相手の守備を潜り抜けらえるか。
それらが一瞬の判断で行動に移され、
ゴールが決まるかを左右します。
言葉の場合もこれに似ています。
深く息を吐き、
その呼吸に声を乗せる。
その際、ゴールが決まる音を発するには、
言葉の「子音」を際立たせて発する
というコツがあります。
小さなコツのようですが、
これが随時実行できると、
英語は驚くほど、
ネイティブスピーカーでなくとも
しっかりと聞き手に届くようになる。
これが「言葉の輪郭」の力です。
英語、日本語よりも伝えやすい?
英語のスピーチトレーニングをしていると、
1つ、とても興味深いことがあります。
それは、
大勢の前で話す場面において、
普段日本語を話す私たちにとって
日本語よりも英語のほうが「伝えやすい」
という感覚が生まれることです。
普段、日本語で話す私たちは、
自分なりの「話し方」にも慣れています。
その習慣に何らかの変化を加えようとすると、
無意識の抵抗が生まれることがある。
日々の習慣を急に変えると、
少し慣れない感じがする、という感じです。
一方、英語を話すことには、
ある種の新しさ、
新鮮さな感覚があります。
その場合、伝え方を変えたり、
新しい方法を取り入れることへの
抵抗は少ない。
思いきって行動することも
やりやすい感覚が生まれて、結果、
「伝わるように伝える」という点においても
大胆にチャレンジしやすい感覚が
生まれます。
ですので、英語のプレゼンやスピーチの
機会がおありでしたら、ぜひ
挑戦してみていただきたいです。
きっとご自身の発信力に
さまざまな発見があるはずです。
世界のリーダーたちの心を動かした景色
さて、このトレーニングでの
ご登壇本番の日。
社長は、最初の出番でいらっしゃる
冒頭ご挨拶の第一声で、
言葉の輪郭をしっかりと打ち出されました。
”Good morning ! “
見事な立ち上がり直後のファーストシュートが
決まりました。
シンプルな挨拶、
たった2つの音節が
このイベント全体の流れを決めるほどに
聞き手の心を掴みました。
そして、この冒頭ご挨拶を
見事なシュートとして繰り出すためには
実にさまざまなご準備がありました。
どんな心持ちで舞台へ出ていくか、
どんな呼吸でステージに立つか。
そして目の前の世界中のリーダーたち
お一人おひとりに向けて、
社長は「どんな想い」を込めて、
どんな感情で挨拶するか。
登壇冒頭で
社長は会場全体を一つにされました。
そして、続く長丁場のプレゼンテーションも
見事にお続けになられました。
その聞き手の皆様の耳と心に響いたものは
「流暢な英語」ではなく、
社長ご自身の想いが籠った「言葉」でした。
実際、プレゼン後、
各国の経営層の方々からは
こんなお声があったと
周辺スタッフの方から伺いました。
「とても力強いスピーチだった」
「メッセージが心に残った」
社長の言葉は、伝わったのです。

声の力は国境を越えて届く
これまで多くの経営者の登壇に
立ち会いました。そのたびに感じるのは、
人の心を動かすのは、
話のうまさや言葉の流暢さではない、
ということです。
人の心へ届くのは、
その人の想いを含めた「言葉」。
さらには、その言葉を生み出した深い呼吸、
呼吸から生まれた声。
必ず届けたいという想いです。
言葉に輪郭が生まれる時、
どの言語であれ、
言葉は国境を越え、立場をも越えて
聞く人の心へ届いていくのです。
もしも、英語でのプレゼンテーションや
スピーチを控えていらして、
「どう話せば伝わるだろうか」と
感じていらっしゃるのであれば、
語学としての流暢さを追い求めるのではなく、
ご自身の「声の力、言葉の力」を
お磨きいただけたらと思います。
そうすれば、たとえどの言語であっても
ご自身の声と言葉は、
豊かに伝わり始めます。
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