リーダーシップは容易なことからは生まれない|小川エリカ氏インタビュー(2)

リーダーのスピーチトレーニング

こんにちは、森裕喜子でございます。

元ギネスワールドレコーズジャパン代表
小川エリカさんへのインタビュー。

2回目のテーマは「リーダーシップ」です。

「容易にできることからは
リーダーシップは生まれない。
困難と試練の中で学び続けるしかない」
と小川さんは言います。

◆容易な環境ではリーダーになれない

–−リーダーとして成長できるのはどんな人でしょうか?

『困難』そして『試練』を
進んで行ける人です。

それが無いなら、
目の前の事象に『課題意識』を
持っている。

変わりゆく環境を読みながら、
どう自分や組織をどう変えて
いけばいいか。

折れない心でビジョンを持ち、
行動できる人ではないでしょうか。

いろいろな山谷を超える間に、
自分を知り、他者・世界を
知ることができる。

容易にでき得ることでは
リーダーシップは開発されない
と思います。

–−リーダーシップは環境に育まれる、と。

マーティン・ルーサー・キングや
マララ・ユスフザイなど、
歴史を変え世界に注目されたリーダーは、
自分が置かれた環境や境遇から
何をすべきか目標を持って行動しました。

試練や越えるべき困難があり、
リーダーになったのです。

ビジネスでも困難や試練があります。

経営目標やマーケットにおける
課題という環境の中で、
行動し結果を出す。

◆自分のミッションを生きる

ーー小川さんにとって最大の困難や試練とは?

歴史的人物のように
お話しできることはありませんが、
子供の頃に育った海外で
人種差別を受けました。

その時から日本や日本人の価値を
正しく世界に伝え、
尊重してもらえるようにと、
目的を持ち続けてきました。

日本という国は、
名前や観光地として評価され
知られていても、
国としての発信力が弱い。

中身をきちんと知ってもらえていない。

ならば日本を一つのブランドとして、
その印象を変えていこうと。

それにはまず、
ギネスジャパンのチーム力を通じて
日本を世界に知ってもらおう、

『結果が出せるチーム』であり、
チームの仕事のプロセスが
『グローバルの手本になりうる』と示す。

これを目指したのです。

大げさかもしれませんが、
日本という国のパワーを
伝えられるお手本企業になろう。

これが私にとっての試練、ミッションでした。

––幼少期の環境から課題を見出し、目標を掲げてリーダーとして進まれた。

自分一人では何もできません。

未来図や仮説を一緒にイメージして
創っていけるチームを形成する。

自分と彼らが学び続けられる
環境を育む、チャレンジする、問い続ける。

日本のチームスタッフに日々伝え続け、
海外や本部にもアピールし続けました。

ストレッチした未来に向けて
チームをエンカレッジし続けることは
容易ではありません。

◆前のめりに学び続けるチーム

––具体策はどのような?

学び続けられる環境を作りました。

会社育て、人育て、自分育てです。

私が成長すると、当然ですが
社員も成長進化する。

全員が学んでいくことで結果が出てくる。

同時に、社内の上下関係を崩し、
忖度せずに対話できる場を
作っておくことも重要です。

上司が部下よりも知らないことが
あっても、
互いにそれを恥だと思わない、威張らない。

すると互いの知識や経験を
引き出しあえるようになり、
学び続ける環境ができていきます。

日本型の新人研修は
基礎教育がしっかり網羅され、
システムは素晴らしいと思います。

ですが、そういった定型の教育を
あてがうと、与えられることが当たり前に
なりますよね。

すると、習ったことを知らないのは恥だ、
となるかもしれない。

ですからある程度、
前のめりに食い付いて学び取る姿勢に
なってもらえるよう、
環境作りには工夫をしました。

––学びの場で、リーダーとして難しかったことは?

真のリーダーは自分の弱みも見せられる
んだと思います。

これがなかなかできなかったように
思います。

リーダーになったばかりの頃、
皆に好かれたい、頼りにされたいと思い、
あらゆることに対応していました。

例えば会社の福利厚生のリクエストに
可能な限り答えていくなどですね。

家庭で言えば母親役。
母性でリードすると
チームとの距離感が縮められる。

でも「良い人」になろうとしているだけでは
リーダーは務まらないと気付きました。

必要な距離を取ることは大切、

でも、これは難しかった。

チームメンバーは
大好きな仲間たちですが、子育てと同じ、

大好きだからこそやっていいこと、
頼んでいいことと、
度が過ぎていることを伝えていかないと
示しがつかなくなります。

プロ意識を育むためにも、
あえて私情を持ち込まれないように
対応したことが多くありました。

日々、常に学び続けていましたね。

◆リーダーとメンバーは鏡写し

––リーダーにとって大切なことは何でしょうか?

会社が成長する上では、
自分を知る、自分の活かし方を知る。

外部環境を知り、
自分とその俯瞰図を見る。

そして学び続ける姿勢を持つことです。

自分が成長していないと
チームの成長もありません。

鏡の原理です。

組織が成長していないなら、
その要因は自分にある。

ならば自分を変えれば良い。

冒頭でお話ししたように、
困難と試練でまず自分が成長する。
これが大切です。

–−ありがとうございます。興味が尽きないお話ですね。

次回も引き続きリーダーシップをテーマにしながら、
コミュニケーションについても伺います。

*文中のお写真は、小川エリカさん撮影のものです。

>インタビュー続き「3」はこちら

経営者にとって一番手強い聴衆は|小川エリカさんインタビュー(3)

我慢しないでポジティブに生きる|小川エリカさん インタビュー①

森 裕喜子

森 裕喜子

トップリーダー、トップアスリートのスピーチプレゼン戦略 VIC/伝える力でマーケティングする。スパルタトレーニングとコンサルティングをしております。

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