こんにちは。森裕喜子でございます。
ラジオを聴いていたら
オーケストラの指揮者が
こんな話をしていました。
「強く大きく始まる曲より、
静かに始まる曲のほうが断然難しいですね」
大きな音は勢いで演奏できても、
小さい音はごまかしが効かないというのです。
ふと、昔聞いたスピーチが蘇りました。
元経営者の80才の誕生パーティー。
食事が済んで
皆様からお祝いの言葉、プレゼント、花束贈呈。
そして主役のスピーチです。
花束を抱えた元経営者は
ゆっくり椅子から立ち上がり、
長めの沈黙のあと、
静かに話し出しました。
「わたくしは、今、夢を持っております」
すう〜っと浮かぶように
椅子から立ち上がられたときの無駄のない動き。
小さくても部屋の隅々にまで届いた声。
1分ちょっとのスピーチでしたが
ひとつ1つの言葉の粒が際立っていて
ふとしたときに何度も蘇るスピーチなのです。
あの声と言葉の力。
一体何だったのか?
オーケストラ指揮者の言葉で、
その一端が紐解かれていきました。