こんにちは。森裕喜子です。
先日、ある経営者交流会で
2人の社長が登壇しました。
A社長は、こう話しました。
「弊社は今年、売上が前年比120%。
社員数は10年で4倍になりました」
一方、B社長は、
「創業して3年目、
全然結果が出ず、資金繰りも厳しくなった。
夜中に車の中でこっそり泣ながら
もうこんな思い、2度としない!と心に決めました。
それから全社の取り組みを大きく切り替えて
毎年、増収増益です」
どちらも会社の成長と成果の話ですが、
会場アンケートで圧倒的に反響があったのは
B社長でした。
この差、なぜでしょう?
答えは「感情」を含めて話したかどうかです。
人は、理屈より感情の生き物。
ビジネスでは成果や数字が大切で、
経営者なら結果の数字にこだわって当然。
でも、その価値を人に話す際は
実績やファクト数字だけではダメなのです。
感情を言葉にするからこそ
人の心を動かすスピーチになる。
でも、感情を言葉で表そうとしても、
実は難しいのです。
そんなときは、
ぜひ自分に問いかけてみてください。
たとえば——
「前年比120%となった時、どんな気持ちだったか?」
「創業期、最も苦しかった出来事は何か?」
「その場面で、自分は何をどう感じたか?」
自分自身に問いを投げると、
数字や実績の裏側にある「あなたの物語」が見えてきて、
自然と気持ちが言葉なっていくでしょう。
前年比120%の結果がわかった瞬間、
よし!やった!と叫びたいくらいだったなら、
スピーチでも
「叫びたくなるくらい嬉しかった」の一言を添えて
話せばいいですね。
たったこれだけで、
聞き手の心に響く内容に変わります。
スピーチは情報を並べる場ではありません。
あなたの「心」を届ける場。
はっきりと言葉で表してみてください。