「手取りを増やす」具体的に何がどう響いたか? 言葉が生み出すリーダーシップ

スピーチ戦略

今回の衆議院選挙で躍進した
国民民主党のキャッチフレーズ
「手取りを増やす」

多くの人の心に刺さり、支持を拡大しました。
各党がキャッチコピーを掲げましたが
人々のベネフィットを的確に表現し、
その攻めのパワーで存在感を打ち出していた点では
圧倒的だったように思います。

では、何がどう人々に響いたのでしょうか?

まずは「手取り」という言葉を選んだ点。

働いた分のお給料から税金を差し引いて
手元に残るお金のことですよね。
例えば、別の言葉に置き換えると、どうでしょう?

例「実収入を増やす」

うーん、ちょっとグッと来ませんね。

やはり「手取り」という、
わかりやすくてリアルな生活感がある語感が
強いですね。

また、手取りというと、
その背景に税制や税金があることが浮かびます。
国の政策と人々の暮らしのギャップといった問題点をも
浮かび上がらせていて、
効果的な言葉選びですね。

そして、トドメは何といっても「増やす」。
手元に残るお金が増えるというベネフィット
そのものズバリを表しています。

また「増える」という動詞に注目。

実は、誰もが知るような名コピーにも
動詞が含まれています。

かつてアップルコンピューターの、
Think different.

Just do it.
これはご存知、ナイキ。

動詞を入れると、言葉に動きが出る。
よって他とは違うパワーや強さ、
何かが変わる確信すら感じさせるのです。

短い言葉の中に
人々の共感と納得を生み出していける
強いリーダーシップがある、とも言えるくらいですね。

社員に向けたひとことや
ここ1番のスピーチ場面で放つメッセージに
ぜひ取り入れていただきたい考え方です。

森 裕喜子

森 裕喜子

トップリーダー、トップアスリートのスピーチプレゼン戦略 VIC/伝える力でマーケティングする。スパルタトレーニングとコンサルティングをしております。

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森 裕喜子

森 裕喜子

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