トップリーダーは声を操る。ジャパネット流・伝え方の本質|高田社長分析4

週末に読みたい記事

こんにちは、スピーチコーチの森裕喜子です。

さて今回で、ジャパネット高田社長のプレゼン分析シリーズ、
いよいよ最終回です。

テーマは……「声」。

え? いまさら声?と思いましたか?
でもですね、最後の最後で、これがいちばん“深い”話かもしれません。

あの「みなさん!」の裏にある、すごい仕掛け

ジャパネットと言えば、冒頭のこの一言。
「みなさん!」

この高い声、耳に残っている方も多いのでは?
まさにテレビの前で一瞬にして注意を引きつける“口火”です。

でも、今日はあえて問いたいんです。
高田社長の毎回の最後の言葉。覚えていらっしゃいますか?

そう、それは──
「お願いします」

意外と普通?でも、
実はここにこそ、プレゼンの締め方の極意が
詰まっているんです。

声の高さを“意図的に”使い分けていた!

高田社長のプレゼンは、
始まりと終わりで声のトーンが全然ちがうんです。

・冒頭:「みなさん!」→ **高音でパーン!と入る
・締め:「お願いします」→ **低く、穏やかに終わる

このコントラスト、何を生んでいると思いますか?

そう、インパクトと信頼感なんです。

なぜ最後は“低音”なのか?3つの仮説

ちょっと分析してみましょう。
あの最後の「お願いします」が低いのはなぜか。
こんな仮説が立てられます。

1. 落ち着いてプレゼンを終わるため
2. 「買って!」と懇願する感じを避けるため
3. 本音を言うと・・ちょっと疲れた?(でもそれも自然で人間味)

もちろん3の可能性もゼロではないけれど、
あの抜かりのなさを考えると、
やっぱり1と2の「戦略的演出」なんじゃないかなと
思うのです。

「買ってください!」とは、けして言わない理由

高田社長のスタイルは、”説得”ではなく“納得”を引き出すプレゼンである、と
別の記事でも書いた通り。

そして最後の「お願いします」も、
「買って!買って!」圧ではなく、

・「よければどうぞ」
・「ご納得いただけたら、ぜひ」

という、距離感と信頼感のこもったひと言なんです。
売る側として伝え切るべきを伝えたら、
最終判断はお客様に委ねる。
これなんです。

 一言に“多層の意味”を込めるテクニック

そう考えると「お願いします」には、
実に複数の意味が込められていると考えられますね。

・「この商品をよろしくお願いします」
・「ご注文はこちらからお願いします」

そしてもうひとつ、
「お客様のみなさま、あなたを信頼しています、どうぞ決めてください!」
という、“お客様へのバトン渡し”でもあるんですね!
もう本当にこれぞコミュニケーション!

本来の声もコントロールしていた!

驚くかもしれませんが、
実は高田社長の「地声」は、そんなに高くないんですね。
普段は落ち着いたトーンで、とても穏やかな方である
ご様子。

つまり、番組では
自分の声そのものを「戦略的に使い分けていた」ということ。

「自分らしく」を発揮しながらも、
普段の自分に固執することなく
「お客様に伝えるためには、どう話すか」を徹底的に考えていたんです。

伝えることは、自己表現じゃなく“思いやり”

高田社長のプレゼンは、
どこまでも「お客様視点」で作られています。

・どうすれば届くか?
・どんな言い方なら安心してもらえるか?
・自分の声をどう使えば伝わるのか?

その答えを、全身で体現していたんですね。

まとめ:声の“高さと低さ”も、伝え方の武器になる

高田社長は、自分の声を武器に変えた。
それは演出ではなく、
また、気取りでもなく。
「ただただ伝えたい」その気持ちが声に自然と現れていたんです。

スピーチでもプレゼンでも、「最初の声と最後の声」
この“声の使い方”こそが、あなたの印象を決め、
話す人の決意のほどを表すのです。

話す力は、あなたの声から。
それを教えてくれたのが──高田社長だったのです。

そして今、ジャパネットの通販番組は、
高田社長のプレゼンの魂を引き継ぐ人たちが
たくさん活躍しています。

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森 裕喜子

森 裕喜子

経営者のマンツーマンスピーチトレーニングとスピーチ戦略のサービスをお届けしております。トップアスリートのメディアトレーニングも多数実施。

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森 裕喜子

森 裕喜子

トップリーダー、トップアスリートのスピーチプレゼン戦略 VIC/伝える力でマーケティングする。スパルタトレーニングとコンサルティングをしております。

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