- スピーチ本番で想いが溢れ、話がまとまらなくなることは起こりがちである
- 一字一句の完全原稿は、かえって「生きた感情」のブレーキになることがある
- 原稿を手放し、地図となる「スピーチメモ」を用意する
- メモを頼りに「自分の言葉」で話すと、聞き手の心に響く
◼️言いたいことが溢れてくる
「スピーチって難しいですね、失敗しました」
ある勉強会でお会いした方が、ぽつりと仰いました。
「社内イベントに向けて、土日を使って完璧な原稿を書いたんです。
それで本番、話しながら社員の顔を見ていたら、
伝えたいことがどんどん出てきてしまって。
原稿とは違うことを話し始めて、まとまらなくなってしまったんです」
かなり悔やんでいらっしゃいました。
時間を使って事前に準備されたこと、
とても素晴らしくていらっしゃいます。
そして本番、
目の前の社員に直接言葉を届けたい、と思われたこと。
これもまさにトップだからこそです。
ただ、その熱量を届けるには
一字一句書かれた原稿は充分ではなかった。
ただそれだけなのです。
どうしたら、このような問題を解決できるでしょうか。

◼️ 想いが溢れる場面では、完全原稿がブレーキに
本番のステージに立ち、日々現場で力を尽くしている社員の顔を見渡したとき、
予定していた原稿を超えて伝えたい想いがどんどん溢れてくるのは、
トップとしてごく自然なことです。
ですが、「間違えないように原稿通りに読まなければ」
という意識が強いと、
その溢れ出る生きた感情と、手元の文字との間で葛藤が起きてしまいます。
「原稿の文字を追う」という行動に縛られると、
社員を実際に見て浮かんだ生きた感情は出せませんから
言葉から体温が奪われてしまいます。
ならば原稿の文字を追うのをやめて、想いのままに言葉を加えていくと、
スピーチとしての形が崩れ、冒頭のエピソードのようになることがあります。
本番で湧き上がってくる真っ直ぐな熱量を止めずに、
それでもスピーチとしてまとまるように話すにはどうしたら良いか?
まずは一字一句の原稿を手放しましょう。
その代わり、その場で言葉を紡ぎながら話すことができる
「スピーチメモ」を使ってみてください。
◼️ 熱量を届ける「スピーチメモ」の作り方
話の要点をひと目で思い出せるメモを用意します。
これは、いわば「スピーチの地図」。
パソコンで綺麗に作らなくても、手書きで充分です。
難しく考えずにメモ書き感覚で書いてみてください
以下の3つのパートに分け、それぞれを「キーワード」で書き出します。
1)冒頭:最も伝えたいメッセージ
スピーチでまず伝えたい“核心のひとこと”です。
(例:「今年は起死回生の元年としたい」など)
2)中身:伝えたい3つの要点
(例:「ビジョンの再確認」「今年の戦略」「各部署のアクションプラン」など)
3点に絞ると、話しやすいだけでなく、
聞き手も内容を整理できるため、聞きやすいのです。
3)結び:もう一度、冒頭のメッセージ
冒頭と同じメッセージを繰り返してスピーチを締めます。
この形式は、伝わるスピーチの基本形でもあります。
シンプルに見えますが、実はスピーチとしてしっかり “芯” が通った内容です。
◼️ 自分の言葉で話す練習
このメモができたら、次はそれを見ながら立って声に出します。
メモを読むのではなく、
メモという地図を頼りに、自分の言葉を紡いで話していく練習です。
メモには、キーワードしか書いてありません。
それを聞く人にわかるように、
ご自身で言葉をプラスしながら話していきます。
何度か繰り返していくと、意外と話せるようになります。
「原稿がなくても大丈夫そうだ」
と、多くの方が実感されていますので、ぜひやってみてください。
だんだんと「自分の言葉で話す」ができるようになります。
スピーチを聞く人は、
「話し手が間違えずに原稿を読んでいるか」ではなく、
「何を伝えようとしているか」に耳を傾けています。
原稿という枠組みを手放し、ご自身の言葉の“熱”をそのまま届ける。
次の本番で、ぜひ、お試しください。

◼️ 追記:言葉が出てこないとき
今回の記事は、スピーチで話していると話したいことが溢れてきて、
話がまとまらなくなってしまうケースの対策です。
これとは別に、緊張で頭が真っ白になってしまう。どうにかしたいという
場合もおありかと思います。
その際はぜひ、▼こちらの記事もご覧ください。▼
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